「かるてん」が開発されるまで
開発のきっかけは東日本大震災 ~ 帝人グループ震災復興全社横断プロジェクト始動から
福島県の仮設住宅で暮らす住民の方より「寒さ対策」「防音対策」の要望を受け、床や壁、天井の内装にテイジンのポリエステル製タテ型不織布V-Lap®のテスト施工を実施。
その結果、断熱性・吸音性に優れたV-Lap®の効果が認められ、住空間の改善に大きく寄与することが実証されました。
天井の脱落・落下被害が大きかった東日本大震災以降、「安全な天井」が強く求められるようになっており、その声に応えるため、V-Lapを活用した吸音性・断熱性に優れ、かつ、軽く、割れにくい天井材の開発に着手しました。
V-Lap®とは
ポリエステル製のタテ型不織布です。
通常の不織布と異なり、繊維がタテ方向にならんでいることで、反発性が高く、断熱性や吸音性にも優れた軽量な素材です。
そのクッション性が活かされ敷布団や電車のシート、吸音性と軽さが活かされ自動車の吸音材などに採用されています。
タテ型不織布 | 一般的な乾式不織布 | |
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不織布製造方式 | タテ配向方式 | クロスレイ方式 |
不織布断面構造 (矢印は繊維の配列 方向を示す) |
テイジンの繊維技術が結集された
「かるてん」を開発!
ポリエステル製のV-Lap®をベースに、
テイジンの繊維技術を活かし、改良を加える事で、
軽さ、不燃性、面剛性を同時に実現した、
これまでにない繊維を基材とした天井材の開発に成功しました。
「かるてん」工法開発へのこだわり
天井材だけでなく、下地材・工法もトータルに開発
「かるてん」は繊維でできた新しい天井材です。
新しい天井材だからこそ様々な可能性があり、これまでにない天井や室内空間の提案ができると考えています。
そのために、天井材である「かるてん」はもちろん、下地材や工法の開発を行なっています。
専門家の意見を取り入れながら最適な工法を探究
テイジンは繊維の専門家ですが、天井の安全性・快適性を追求するためにはそれらの専門家の意見を積極的に取り入れながら開発を進めています。
例えば、天井を専門に研究されている大学の先生に性能の評価を受ける、設計会社や下地材メーカーと共同開発を進めたり、安全性の実証を行なうなどしています。
軽量天井で初めて一般評定を取得
「かるてんTB工法」は天井質量2kg/m2以下の軽量天井として初めて一般評定も取得しました。