天井の安全対策が注目されています
東日本大震災に代表されるような大規模地震のたびに天井の脱落事故が発生しており、東日本大震災では公共施設だけで約2000件の天井脱落が報告されています。
そして、天井の脱落は室内にいる人の生命や安全を脅かすだけでなく、脱落した天井材等が避難の妨げになる、重要な設備や備品を損傷させてしまう、その空間が使えなくなる、など、いくつもの支障をきたすことが分かっています。
そうした中で、天井の危険性やそれにともなった天井の安全対策が注目されてきています。
天井の安全基準の変化と特定天井
天井の脱落防止措置による建物の安全性確保を目的として、「建築基準法施行令の一部を改正する政令(平成25年政令第217号)」、「特定天井及び特定天井の構造耐力上安全な構造方法を定める件(平成25年国土交通省告示第771号)」等が平成26年4月1日に施行されました。これらの政令や告示により、「特定天井」は技術基準に従って脱落防止対策を講ずる必要があります。
特定天井とは、人が日常的に利用する場所に設置されている吊り天井で、以下の3つの条件に該当する天井です。
3つの条件
- 6m超の高さがある
- 面積が200m²超である
- 質量が2㎏/m²超である
建築物における天井脱落対策の全体像
※建築物における天井脱落対策の全体像(国土交通省)より抜粋
参考:≫ 国土交通省 建築基準法施行令の一部を改正する政令について(平成26年4月施行)
建築物における天井脱落対策の全体像(国土交通省)PDF
テイジンが考える天井の安全対策
テイジンは災害時の人命保護と拠点の重要性、またBCP(事業継続計画)の観点から、下記のような場所における天井の安全対策が特に重要だと捉え、積極的に事業展開を行なっています。
- 人命保護と拠点の重要性の点から
- ● 小さな子供や高齢者が多い幼稚園、保育園、老人施設
- ● 人が多く集まる病院、ショッピングモール、交通施設
- ● 災害時のコントロールセンターとなる役所などの行政施設
- ● 災害時の避難所となる学校、体育館
- BCP(事業継続計画)の点から
- ● 企業の事業継続やサプライチェーンへの影響が大きい工場、物流施設
- ● 行政や企業のデータを保持しているデータセンター
天井軽量化の重要性
天井の危険性やそれにともなった天井の安全対策が注目されるなか、日本建築学会は、非構造材の安全性評価及び落下事故防止に関する特別調査委員会報告書「天井等の非構造材の落下事故防止ガイドライン」において『高所設置の天井材に対しては「硬く・強く・重く」から「軽く・柔らかく」へと発想を変えることにより、多くの問題点が無理なく解決できる』と述べています。
テイジンはこの軽く・柔らかい、安全な天井の実現に取り組み、質量が2㎏/m2以下の軽量化された天井のラインナップを増やしています。